新型コロナワクチン最新情報(10月1日現在)

新型コロナは一昨年5月8日から感染症法上2類から5類に変更になって、マスク着用も一昨年3月13日以降推奨しない方向となり、本格的なウィズコロナの時代となりました。長いマスク生活で特に子供の免疫が低下してしまって、インフルエンザ、アデノウィルス、RSウイルス、ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルス)、ヒトメタニューモウイルス、溶連菌感染症、麻疹、マイコプラズマ感染症など多くの感染症が季節を問わず、年中流行している印象です。
 空気中には多くのウイルス、細菌などが常に一定量浮遊していて、私たちはそれを常に吸い込んでいます。発病しない程度のウイルス、細菌が常に吸い込まれて不顕性感染により免疫が維持されているのですが、それが長いマスク生活でほとんど入ってこなくなって免疫が低下してしまって抵抗力が弱くなってしまっているのです。皆さん、不必要な場所でのマスクは出来るだけ止めましょう。特に子供と老人に強制しないようにお願いしたいです。医療機関や飲食店のスタッフがマスクをしているのはわかりますが、マスクをしてゴルフをしている人、マスクをして自転車や自動車に乗っている人を見ると目的は何?何を期待してマスクをしているのと疑問に思います。
 新型コロナワクチンの接種は反ワクチン団体によるキャンペーンがまるで新興宗教のような妄信的な激しさで行われていましたがようやく下火になりました。しかし、たしかに人類が初めて手にしたメッセンジャーRNAワクチンの評価は歴史の検証を待たねばならないという側面もありますが、私たちは今回の新型コロナワクチンに打ち勝つために人類の生き残り戦略としてこの方法に賭け、これを選択したのです。当院では国の方針に従い、あくまでも接種を希望する対象者に対してのみ実施してきました。

 昨年4月以降、新型コロナワクチンは年1回、秋の定期接種、自己負担ありの方針となり、昨年度は10月1日開始で今年3月末までで終了なりました。次は今年度、10月1日から始まります。浜松市は例年通り65歳以上(40歳以上65歳未満で基礎疾患ありと届け出て認められた方を含む)で自己負担額は昨年は3,260円でしたが、今年度は大幅に上がり8,000円となりました。症状も軽くなり、接種希望者の激減が予想されています。補助対象外は自費になりますが15,000円ぐらいとされ当然ながら自費の希望者は皆無と思われ、当院でも設定していません。
 インフルエンザワクチンの秋の定期接種も例年10月1日から翌月1月末までです。こちらは浜松市では公費負担期間の65歳以上の自己負担は昨年同様1,600円です。自費は当院では年齢で分けており、13歳未満は2回受けることとされているので、1回目を2歳未満は1,000円、2歳から6歳未満は2,000円、6歳から13歳未満は3,000円とし、2回目はいずれも1,000円(ただし、1回目を当院で受けた方)としております。13歳以上は1回接種で4,000円です。また、注射によらず鼻からの噴霧によるものが出てきましたが、まだ高価で接種料金が2歳以上18歳までで1回8,000円となる見込みです。

 複数のワクチンを接種する場合、近年同日接種が認められていますが、間をあける時は生ワクチンはその後4週間、不活化ワクチンは2週間の間を空ける事とされてきました。最近、どういうわけかインフルエンザを含め他のワクチンとコロナワクチンはそんなに空けなくても良いかのような情報が飛び交っています。これは免疫学的に間違っていると思います。今までそういうことはしてこなかったので副作用のデータは蓄積がありませんが後から必要な間隔を空けずに打つワクチンは免疫が得られないというのは免疫学の常識で、実際に私の経験でも風疹に罹った子が1週間後に水痘に罹って、水痘の免疫が出来ず半年後にまた水痘に罹るという事例を経験しています。折角うつのに免疫が出来なくては後から打つ方が無駄になるのできちんと間を空けるようお勧めしています。納得されずによそへ行ってうつ方もありますが私は信念に従いそういう無知に迎合せず、きちんと情報提供をした上で、それでもどうしてもそうなさる方はその方の自己責任で仕方ないと思っています。