静岡県医師会報(平成8年7月1日発行、第1170号)

編集後記

  今号のとびらのことばは焼津市医師会の新会長の篠原先生に高齢化社会における医師会の取り組みなどのお話しをいただきました。私が昭和21年生の49歳なので就学時年齢は同じということですが、私よりちょっぴり若い会長さんで大変心強い限りです。いずれは静岡県医師会でも活躍していただきたいものです。

 今号から新しい試みとして群市医師会だより「西から東から」がスタートしましたが、これも静岡市医師会の名波会長から北欧の介護事情の紀行文をいただきました。20数年の介護保険論議をしながら、ゆるやかに今日の高齢化社会を迎えたヨーロッパと違って、わずか数年で急激な高齢化となった我が国でどれだけ参考にし、また反面教師とすべき部分は何であるかじっくり検討するに値することは確かでしょう。

 
我が国の介護保険構想は未だ迷走中で、今国会への提出は困難な状況ですが、私自身はやはり細川首相が根回し不足で深夜に発表してひんしゅくをかった福祉目的税の方が今の公的介護保険よりも良かったのではないかと思っているので、何とか両方の良さをミックスできないものかと思案しています。この問題は今年金を貰っている人達よりも、払うだけ払って結局は貰えないのではないかという私たちの世代がもっと真剣に考えなければならない問題なのではないでしょうか。

(平成8年6月16日 平良 章記)

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