お役所仕事に激怒

 

 2002年四月五日に、障害者年金の申請を社会保険事務所に提出した。「裁定には三ヵ月くらい掛かるでしょう」とのこと。何、何故三ヶ月も掛かるのかと、噛み付いてしまった。日頃は穏やかなnoriさんは滅多に無いことである。娘が同伴してくれて、なだめられ、お役所仕事に腹が立ったが気持ちを治めた。昨年「急性心筋梗塞」を起こしているので、余り興奮すると心臓に悪いと娘が気遣ってくれた。

 そして三ヶ月が過ぎ、四ヶ月半が経過した。何の音沙汰も無かった。悪い予感がして社会保険事務所に電話した。その答えは「同じ頃申請を受付けた方の中でもチラホラしか裁定が有りませんので、もう少し待って見て下さい」とのことであり、仕方なく待つことにした。

 そして五ヶ月が経過した。幾ら何でもひどいと思い再度、社会保険事務所に電話し、申請書の追跡調査を依頼した。そして翌日電話が来た。「今日、東京の本庁から申請書が戻り、もう一つ証明書が必要でした・・・」と軽く云われた。その言葉も信用していない。noriさんが電話した翌日に本庁からの返却が有ったことになる。そんなタイミングの良いことがあるでしょうか?つい疑ってしまうのである。向うがそれなりに落ち度を認め「申し訳有りませんでした」のひと言でも有って然るべきではないか。これにも日頃は穏やかなnoriさんは激怒した。「本庁に申請書が行く前に何人のチェックが入ってるんだ、みんなの目は節穴か!」と怒鳴ってしまった。

 仕方なくその証明書なるものを送らせ、証明手数料を払い、証明書を持って社会保険事務所に届けに行った。九月十三日である。電話の相手を呼んで来てもらい、証明書を手渡した。三十代半ばかと思う男性職員であった。「わざわざ済みません」と挨拶されたので少しは落ち着いた。よくよく話を聞いてみると東京本庁では七月二十日に受付けされていたとのこと、それから先日まで何もせずにほったらかしていたことになる。「また今日から三ヶ月も待たせるのか?」と尋ねると「二ヶ月位は・・・」間髪を入れずにnoriさんは「何を悠長なこと云ってるの!そっちのミスで遅れたのだから本庁に連絡して早く裁定を頂く様に致しますと、それくらいなことも云えないんでか!」と語気を荒立ててしまった。隣で娘が心配顔で見つめていた。

 最初に申請書を受付した窓口の中年の女性も居たが、先方はnoriさんの顔など忘れている。その職員が最初に証明書の不足に気が付いていてくれさえすれば、三ヶ月くらいで裁定が下ったかもしれないのである。裁定は何時になったら下るだろうか・・・。諦めの境地である。noriさんの激怒は間違いであっただろうか?

 最後に「窓口の初歩的なミスの為に裁定が遅れるなど二度とない様に、必要書類のチェックには注意を払ってもらいたい」と云って低頭し席を立った。

  裁定通知は十二月の五日にやっと届いた。実に申請から八ヶ月が経っていた。